相続・遺言 解決事例

遺言作成と遺書作成の違い 名古屋・愛知相続遺言相談ステーション

同じようで同じでない、また勘違いしがちな「遺言作成と遺書作成」について、名古屋・愛知相続遺言相談ステーション(行政書士つばさ共同法務事務所)がお答えします。

当事務所に、「親に遺言作成をしてもらいたいのですが、親から縁起が悪いと懸念されています」というご相談をいただきます。
このようなご相談の場合、親御さんが遺言と遺書は同じものだと勘違いしている場合が大半です。
そのため、「遺書を書く=余命が短い→縁起が悪い」となってしまうのだと思います。

では、遺言と遺書は何が違うのか?

「遺言」というのは、「もしものとき」に遺された家族が遺産相続で争いを起こさぬよう自分の「財産」をどうように振り分けたりするのか等を決めておく書面です。
民法という法律にしっかりと定められており、法的な書面となります。
「もしものとき」というのは、誰にでも考えられることです。
年齢や性別は関係ありません。
明日、交通事故で・・・ということが絶対ないとは言い切れません。
「財産」を所有しているのであれば、若い人でも遺言を書くべきだと思います。
ですから、「高齢者だから」とか「高齢者だけが」作成するものではありません。

それに対して「遺書」というものは、余命が短い等の理由で、家族やお世話になった方へのメッセージです。
遺言の「財産」に対して、遺書は、「想い」という精神的要素が強いものだと思います。
書面というよりは「手紙」であり、法的な効力もありません。

簡単にまとめると、

「遺言」は、財産についての書面であり、法的な効力がある
「遺書」は、想いを綴った手紙であり、法的な効力がない

となります。

遺言作成と遺書作成の違いは?

遺言は、民法に作成方式や自筆証書遺言・公正証書遺言等の種類が定められています。
そのため、民法の方式に従わず作成した遺言は、たとえ本人が作成しても無効となります。
法的効力を発生させることを考えると、当然のことかと思います。

それに対して「遺書」は、本人が自由に作成することができます。
方式や種類等は定められていません。
有効、無効ということもありません。

上記のようなことから、「遺言」と「遺書」は、意味合い・作成方法が異なるものです。
遺言は、決して縁起の悪いものではありません。